10月動静 | 京都プランナー日記

10月動静

10月は比較的に有閑だったが、仕事上では諸制度のとりまとめがあり、「暇はあるが心的には少々アキが少ない」月だったと言える。

組織というものは役割を明確化し、参加人員のリソースを集中させることにより全体の効果を最大化させるという面が強かろうと思うが、そういった意味で組織人員10名以下の中小/ベンチャー企業にとっては役割の明確化そのものが非常に難しいテーマである。

「三遊間のゴロを誰が取るのか」という議論をしている時点で、すでに「ベンチャー企業としての組織(この表現も矛盾を孕んではいるが)」としては瓦解しているという考え方もあるし、私も一部賛同できる部分はある。

ただし、それでも役割の明確化そのものには大きな意味があるし、それはとりもなおさず目標の明確化につながる。達成目標を立て実現に向けて最大限の努力をしていくためには、努力と成果を見える化するための仕組みが、やはり必要だと私は考えている。

今おこなっている取り組みは、現在の組織人数ではなく、構成人数が多くなればなるほど機能するものになると思うし、実際にそのようにしていくことを期待したい。実施は11月から。


10月は浮気読みが多かった。そもそも記憶にないものもちらほら。

『裏のハローワーク 交渉・実践編』
新幹線読了本。そのまま利用しようとは別に考えていないが、恫喝のテクニックなどは非常に面白い。
色々なクライアントには会うが、そういえば…と思い当たることも。

『たいようのマキバオーW1』
新章スタート。なんとつの丸先生がラヴ・ストーリーを描こうとしている。15年前の濃密なキャラクターが続々登場し、ファンとしては期待したい展開だ。

『博士の愛した数式』
当社スタッフの引越し処分品からゲット。著者の本は初めてだが、文体にやさしさと控えめさが滲み出ており読後感もさらりとしたものだった。
圧倒的な感動、という声もあったようだが、どちらかと言えばとても良い調度品を部屋に置いているような、心地よい日常的な読後感。


『組織を伸ばす人、潰す人』
新幹線読了本。グローバル組織に所属する著者の考えだけに、ローカルベンチャーにとっても逆に参考になる。


『ハッピー・リタイアメント』
社長の書棚から覗いていたため(勝手に)ゲット。軽妙なストーリーで1文も飽きさせない辺りは著者の力量であろう。
ただし、レビューで評されているように読後感は少々微妙。


『頭のいい子が育つパパの習慣』
何とか親の自覚を持ちたいと願いつつ読了。まずは自らの行動を客観的に見つめる必要がありそうだ。
子育てで育つのは子供だけではない、と信じたい。


『さらば皇帝シンボリルドルフ』
私にとって10月最大の訃報はスティーヴ・ジョブスではなくシンボリルドルフ。15年前は今のようにYoutubeでいつでもレース映像を見ることができる時代ではなかった。小遣いが一定まで貯まるか、イベント時には、いつも乾坤一擲の競馬ビデオをゲットし、何度もその映像を鑑賞していたものだ。その中にはポニーキヤニオン発売の「シンボリルドルフ」も当然含まれている。

当時中学生だった私は「憎らしいほどの強さ」と評されるそのレースを目の当たりにし、衝撃を受けた記憶がある。ほかの馬にとっては2000メートルのレースでも、シンボリルドルフが本気で走っているのは明らかに最後の1ハロン程度だった。そして一瞬で抜き去ったあと、また手を抜いて走ってしまうのである。卓越した身体能力、それを支える「ゴールを知っていた」と言われるほどの精神レベルの高さ。

精神力で言えば間違いなく日本競馬史上最強の名馬、惜しむらくはその精神が子孫には的確に伝わらなかった点であろうか。
それでも三冠馬オルフェーヴルの母系がメジロマックイーンであるように、シンボリルドルフの名前はこれからもG1の血統表に、残り続けていくことだろう。

七冠馬。並ばれはしても、25年以上が経過し未だに超えられてはいない。シンボリルドルフの冥福を祈りたい。