書評:「黒豆式。食材ネット通販の鉄板セオリー14」 | 京都プランナー日記

書評:「黒豆式。食材ネット通販の鉄板セオリー14」



最近こういった本が少なくなりましたね。
大規模ショップが小規模ショップが駆逐する時代に突入しているため、以前ほどネット通販での成功事例が目立たなくなってきているからかもしれません。

そんな中今年の6月に出版されたこの本は、そういった時代にこそ必要な「小が大に勝つ」ためのアプローチが含まれています。私自身も得ることが多かったので、そのポイントを紹介したいと思います。
とても読みやすいので、2時間もあれば読むことができます。


■この本で得られること
1.食材に特化したアプローチ(取組み)のヒントが得られる
あくまでも食材に特化した手法であり、他のジャンルの通販で成功を目指す場合は異なるアプローチを考える必要があります。ただし、食材に限れば著者の書かれていることは非常に的を射ていると感じます。

「リピーターを増やす」
ネット通販において最も重要なポイントですが、食材ジャンルにおいてどのようにリピーターを増やしていくか、悩んでいるショップさんには非常に身になることが書かれています。


2.ネットショップの「販売力」を高める工夫が得られる
集客に関するノウハウを紹介する本は多いですが、ネットショップ自体に肝心の「販売力」がなくては意味がありません。

・ページ数は100ページ以上
・トップページのファーストビューが勝負
・情報の「ごちゃごちゃ感」

など、販売力を高めるための工夫に関して多くのページが割かれています。
ぜひ参考にしていただきたいポイントです。ただし簡単ではないことも忘れてはならないポイントになります。


3.ネットだけで完結しない販売アプローチが得られる
ネットショップというと、ネットだけで業務効率化をして利益を上げる、というイメージがどうしても付きまといますが、現実的にそうはいきません。
この本ではその点についての記載をしたうえで、「『ネット以外』でいかに売上を上げていくか」という点について重きを置いて書かれています。

ネットだけで集客・販売したいという方には拍子抜けかもしれませんが、目的はあくまでも「企業自体が利益を上げる」ことですし、ネットを全社的なアプローチとしてとらえるためにも、この観点はとても重要です。



■この本で得られないこと
1.具体的な検索エンジンノウハウやツール
「どのように集客するか」「どのようなツールを使うか」などの具体的なことは記載していません。
この点については自分で調べる必要があります。逆に言えば、調べればネット上のいたるところで見つけることができます。


2.開業に関するノウハウ
あくまでも運営を行い、店舗としての成功を目指す方のために書かれているため、ショップ開業の際に気を付けなければいけないポイントには、それ程多くの内容は割かれていません。

事業計画書やニーズ調査については触れられていますが、全体としては一部ですので、具体的に開業をされたい方はこの本以外にいくつかの情報をあたっていく必要があると思います。



「食材ネットショップをはじめたはいいけど、売上が上がらない。伸び悩んでいる。」
そういった方にとってこそ、自立ネットショップのためのエッセンスが多く含まれています。
参考までに読んでみることをおすすめします。