経営はすべて特殊解であるという論理 - 「経営センスの論理」 | 京都プランナー日記

経営はすべて特殊解であるという論理 - 「経営センスの論理」

経営センスの論理 (新潮新書)



京都プランナー日記-経営センスの論理

こちらの著者楠木建氏の著書、「ストーリーとしての競争戦略」は、これまでの競争戦略のブラックボックスであった「ロジック」をわかりやすく解き明かした点でとても面白い内容だったが、本作はどちらかといえば短編集のような趣の著書である。


タイトルの通り、「経営はセンスである」という身もふたもない話が序章となって始まるが、この「センス」とは、「ロジックをベースにいかに特殊解を見出すことができるかどうか」ということなのではないかと感じる。


ロジカルシンキングで生まれてくるものはすべて相似であり、それは基本的には戦略とは言えないという論理はとてもよく分かるし、センス=感覚を磨くということも論理的に理解ができる。(論理的に感覚を理解する、というのも妙な表現ではあるけれども)


短編集ながら挿話も面白く構成が読みやすいので、この本自体でも楽しめるし有益だが、やはり「ストーリーとしての競争戦略」はある程度頭に置きつつ読んだ方が良いだろうな、というのが個人的な感想だった。


ちなみに、この本の中で紹介されている「ポーター賞」 は競争戦略を考えるうえで非常に参考になる事例ばかりだ。